PPA事業者とは、需要家が保有する施設の敷地内に太陽光発電設備を設置し、事業家側で管理・保守を行いながら、発電した電力を有償で提供する事業者です。このようなサービスには様々なメリットがあります。
例えば、需要家は太陽光発電を導入することにより初期費用を抑制することができ、また、電力料金を削減する効果も期待できます。さらに、CO2の排出量の削減によって、企業価値の向上も期待できるでしょう。
このように、PPAの導入には多くのメリットがあり、企業担当者の方も検討されていることと思います。今回は、このPPA事業者を選ぶ際のポイントについて解説します。
また、わかりやすい解説の過程において、おすすめのPPA事業者も紹介しますので、今後の事業者選びの参考にしていただければ幸いです。
1.PPA事業者とはどのようなもの?
PPA(Power Purchase Agreement)事業者とは、需要家側で太陽光発電システムを購入する必要がない上、管理も事業者側で行うため、需要家は毎月一定額の電気使用料を支払うことで太陽光発電の恩恵を受けることができます。
この事業モデルは、日本では、需要家に初期投資の必要がなく、かつ、発電に対するリスクを回避できるため、注目されています。需要家は、PPA事業者から提供される電力料金を毎月支払うだけで、太陽光発電システムを利用することができます。
一方、PPA事業者は、需要家からの電力使用料や余剰電力の売電料から収益を得ることで、システムの購入や設置費用を回収することができます。このため、PPAシステムは、費用効果が高いと言われています。
2. PPA事業者を選ぶ際のポイント4選
ここからはPPA事業者を選ぶ際のポイントについて解説していきます。
2-1.契約条件
PPA(電力調達契約)事業者によってPPAモデルの条件が大きく異なるため、電気の買取価格や契約期間満了後の太陽光発電システムの譲渡条件などを事前に確認することが重要です。
10年以上の長期契約が多数を占めるため、契約期間中に契約を破棄することや、破棄した場合にシステムをどのように処分するかなど、将来的なリスクに十分注意する必要があります。 このようなリスクを避けるためには、法律事務所や専門家と契約を見直してもらい、適切なアドバイスを受けることが望ましいです。
2-2.設置箇所
太陽光発電において、機器の故障や予想発電量の下回りによってPPA事業者が責任を負うことは避けられません。このため、導入する地域によっては、日射量が極端に少ない地域や、積雪が多い地域、塩害がある地域などでは、導入が可能かどうかを確認する必要があります。
設置容量に下限値を設定するPPA事業者もあります。ただし、各PPA提供者によって設置容量の下限値が異なる場合がありますので、PPA事業者ごとに確認することが必要です。
2-3. 運用やメンテナンスの体制
太陽光発電システムを設置する際には、設置費用がかからないというメリットがありますが、その後も定期的なメンテナンスが必要になる場合があります。このため、事前にメンテナンス費用がかかるかどうかを調べることが重要です。
また、もしメンテナンス費用がかかる場合は、どの業者に頼むのかも考慮する必要があります。信頼できる業者を選ぶことで、適切なメンテナンスが行われ、システムの長寿命化につながります。逆に、安易な業者を選んでしまうと、適切なメンテナンスが行われず、システムの劣化や故障が進んでしまう可能性があります。
事前に詳細な調査を行って、メンテナンス以外にもパネルの取り付け場所や性能など、設置に際しての注意点を把握することが重要です。
2-4. 太陽光発電の実績
PPA(Power Purchase Agreement)で導入する太陽光発電システムは、一般的な家庭用太陽光発電システムとは異なる技術やノウハウが必要になります。そのため、PPA事業者の選択には注意が必要です。
PPA事業者を選ぶ際には、その企業が自家消費型太陽光発電システムの開発実績を持っているか、またPPAモデルの開発実績があるかどうかをしっかりと調べる必要があります。
また、PPAで導入する太陽光発電システムは、数十年にわたって発電をすることを目的としているため、システムの耐久性や信頼性も考慮する必要があるでしょう。さらに、システムの導入時には、地域の気候条件や環境に合わせた設計が求められます。
これらの点についても、PPA事業者に問い合わせて、信頼性の高いシステムを選択しましょう。
3. おすすめのppa事業者7選
ここからはおすすめのPPA事業者をランキング形式で紹介していきます。
3-1.テンフィールズファクトリー株式会社
テンフィールズファクトリー 株式会社とは、2002年創業で、京都府に本社を置く企業です。実は、太陽光発電事業以外にも、レンタルサーバー事業、カフェ事業、人材開発、ホテル事業など手広く事業を営む企業です。馴染みにない企業と思われる方もいるかもしれませんが、国内大手電気機器メーカーとも取引のある実績十分な企業です。
特徴としては、施行からメンテナンスまで一貫して行うため仲介業者を挟まずに施行可能。それによって低価格且つ高品質な太陽光発電システムが導入可能となっています。
3-2.オリックス株式会社
オリックスは、消費電力量に合わせたサービス料金の支払いを依頼者に行っています。また、契約が満了した場合、設備の譲渡や契約延長が可能です。2020年6月、オリックスは静岡県と滋賀県にあるスーパーマーケットバローの2店舗に対して、PPA(Power Purchase Agreement)モデルを試験的に導入しました。
このPPAモデルとは、発電事業者が行う再生可能エネルギー発電設備などを導入した施設の発電量と、需要家が必要とする電力量を取引するもので、需要家は長期的に電力を安定的に調達できるというメリットがあります。
3-3. 株式会社大林組
大林組は、依頼者のご要望に合わせて太陽光発電システムを設置し、保守、運用を無償で行っています。さらに、環境保護にも力を入れ、自然環境や基礎構築の安全性に配慮した施設の設置を推進しています。また、大林組の太陽光発電システムは、全国28ヶ所に40施設設置され、発電容量は約133MVに達しています。
3-4. 株式会社アイ・グリッド・ソリューションズ
アイ・グリッド・ソリューションズは、エネルギーマネジメントを通じて培ったノウハウや経験を活かし、全国約6,000事業所における電力需要予測の高い精度を実現しています。このノウハウを持つ電力トレーダーが、お得な料金で電力の提供を行っています。サービスは、高圧電力や低圧電力に限らず、規模に関わらず提供可能です。
3-5. 関西電力株式会社
関西電力は、関西地方だけでなく、全国的に太陽光発電設備の設置、運用、メンテナンスを行うことによって、社会に貢献しています。特に、関西電力が提供する「太陽光発電オンサイトサービス」は、企業や公共施設が自らの土地や建物に太陽光発電システムを設置し、自己消費や余剰電力販売を行うためのサポートを行っています。
このサービスは完全無償で提供されており、顧客からは毎月の電力使用量を受け取ることで、自己消費による電力使用量の増加を支援しているのです。また、関西電力は取引先企業や公共施設に対して、太陽光発電システムの設置や運用に必要なノウハウや技術支援、定期的なメンテナンスサービスを提供しています。
具体的な事業事例としては、富士製作所が関西電力の「太陽光発電オンサイトサービス」を導入し、CO2排出量を35%削減できたことが挙げられます。
3-6. 株式会社エクソル
エクソルは、現在の電力利用状況の確認から太陽光発電運転の開始まで最短5ヶ月で行うことができます。太陽光発電システムによる電力利用にはメンテナンス費用がかかりますが、既存の電力を電力会社から購入するよりも低コストで電力を使用できます。また、太陽光発電システムを使用することで、自社の電力サプライチェーンを強化できると同時に、自然環境保護にも貢献することが可能です。
3-7. 湘南電力株式会社
湘南電力は、太陽光発電の普及を通じて地域社会に貢献し、「電気の地産地消」をテーマに事業を展開しています。同社は、工場の停止や計画停電の際にも、地域住民が安心して暮らせる環境を整えることを心がけています。そして、同社は法人だけでなく、個人にも向けて電気を販売しているのです。販売にあたっては、月々の電気使用量に応じた料金に加えて、定額利用料を支払うことが求められます。ただし、同社に10年以上供給を受けると、定額利用料はゼロ円になります。
4. まとめ
再生可能エネルギーを推進する企業や自治体にとって、太陽光発電による電力の自己消費が注目されています。この自己消費において、PPA(Power Purchase Agreement)事業者の利用が有効です。
PPA事業者は、太陽光発電所の建設、運営を行い、利用者は発電所の電力を購入し、自社で消費するという仕組みです。しかし、PPA事業者の提供するサービスは、他社とは異なり、内容、契約条件、料金が大きく異なります。
例えば、契約期間や売買価格、解除料、保証期間など、様々な観点から比較することが必要です。そのため、自社に合ったPPA事業者を選定することが大切であり、慎重に検討する必要があります。