PPA太陽光ニュース

「太陽光発電、初期費用なしPPAが設置促す 補助も充実」を解説!

2022年4月13日付で日本経済新聞から以下のタイトルで記事が掲載された。 「太陽光発電、初期費用なしPPAが設置促す 補助も充実」 今回は、この記事から今後のPPAの展望を読み解いたコメントを頂いた。  

抜粋:2022年4月13日付 日本経済新聞「太陽光発電、初期費用なしPPAが設置促す 補助も充実」より

テンフィールズファクトリー株式会社

代表取締役

市川 裕 からのコメント

コメントを要約!

要約1. 小学校への設置も進んでいる

横浜市の小学校でPPAを活用した太陽光発電所の設置が進んでいる。

要約2. 市場はもっと伸びていく?

2500億円の市場規模に成長する見込みだが、兆単位になるのではないかと考えている。

要約3. 電力の奪い合いが起こる

今は安い業種があるかもしれないが、高いのが当たり前の市場になる可能性も

今回は、日本経済新聞さんの

「太陽光発電初期費用なしPPAが設置促す 補助も充実」

ということで、この記事について解説したいと思います。

PPAが盛り上がってきました。

私たちは5、6年前から準備しているんですけれども、大手さんのプロジェクトでPPAを実際にやらせていただきましたし、私の会社でもフィリピンでもPPA太陽光をスタートしているんですけども、フィリピンの方でも大きなプロジェクト、これも大手さんの方でスタートしています。

私フィリピンもスタートしているんですけどもフィリピンの方でも大きなプロジェクトこれも大手さんの方でスタートしています。

日本でも今年、本当にPPAという言葉を多く聞くようになりました。

PPAとは?

 

今年からおそらく結構盛り上がりを進めていて、ここ10年ぐらいかけて一気に広がっていくんじゃないかなと思うんですけれども、まずPPAについて簡単に解説したいなと思います。

PPAは非常にシンプルで、例えば工場の上に、普通は自家需要で自分たちで投資をして太陽光を付けて節電とかしていきますよね。

これを第三者の資本を使って太陽光を付けましょうというのがPPAです。

工場の上に第三者の方が付けていただいて、付ける側(工場)は買う、付けた側(第三者)は売るという形です。

これがPPAということになります。

電力購入契約ということなんです。

 

 

小学校への設置進む

 

実例として載っています。

横浜市は東京ガスと連携して、21年から22年度で小中学校500校のうち65校の屋根に太陽光を付けるということです。

約10%の学校に付けますよということです。

大体1校平均60kWぐらいの規模を付けるということで、大体低圧の少し上くらいな規模です。

家庭用ですと、大体、ひと家庭5kWなので10世帯分ぐらいの太陽光を学校に付けるよということです。

本来ならば1戸あたり5000万円を超す設置費用が必要になるんだけれども、PPAを活用して、学校はこの5000万を負担せずに付けることができますよ、という事なのですが、ちょっと大きめな費用になっています。

これ5000万ということはですね、5000万÷60kWなので、本来 kWあたり83万円の費用がかかるものが費用がかかりませんよということなんですけど、ごめんなさい、私たちの相場からすると、非常に高いコストです。

実際のコストはわからないので投資家、今回で言うと東京ガスさんが付けるので5000万が削減できますよということなんでしょうけども、今、kWあたり83万円という金額で付けるところはないというか、本当に10年前のコストなのかなというくらいな価格です。

今、現状的にはまだ標準的なものであれば15万/kWぐらい、大手さんだともっと20万とか25万とかなると思うんですけれども、一般的な業者であれば15万/kWくらいで付けれますので、15万×60キロということで、大体900万とか高くても1200万とかという形で付けられるものが無料で付けれますよということで、ちょっとね、ここのコストについては非常に高い金額で出ています。

皆さんも意識していただきたいのは、kW当たり15万ぐらいで付けれるよというものが無料になるよというのが設置者側のメリットになりますし、投資者側としてはそれくらい金額がかかるんだなという風に思っていただければと思います。

じゃないと採算合わないです。

kWあたり83万とかで投資家付けちゃうとリターンがなかなか回収できないということになります。

PPAって短い場合は大体10年。

長いもので、産業用だと大体20年の契約になりますので、その中で投資家もリターンを得ないといけませんのでということです。

 

PPA市場はもっと伸びていく?

 

富士経済によると、このPPAへの太陽光発電所の国内市場というのが21年で277億円、35年度にはその10倍の2500億円ぐらいになりますよということなんですけどもどうなんでしょう。

私の感覚では、まだまだもっと兆単位の金額になっていくんじゃないかなという風に考えています。

というのは今、再生可能エネルギー比率って2019年度で約18%なんです。

政府の方は2035年までに32%、36%まで持っていこうという風にしていますので、この10年間来た太陽光のブームというか盛り上がりが同じぐらいの規模で10年以内に来るということなので、

そう考えると、この中で一番導入しやすいのってこのPPAなんです。

特にオンサイトPPAといって、工場の上に直接付けて電気を買ってもらうというモデルというのは非常にやりやすい再生可能エネルギーの比率を上げる方法なので、もっともっと市場的に大きいんじゃないかなという風に私は肌感覚で思ってます。

 

 

補助金には注意が必要

 

国も環境省で、150億円の予算計上していますよということで、今、色々な補助金が出始めています。

ただ、注意していただきたいのは私も色々ちょっと調べたんですけれども、補助金に合わせて事業展開しようとすると、色々な制約があったりとか、その採択を待たないといけないとか、スピード感が遅れたりとかするので、補助金設置者側は補助金があると大体kW当たり2、3円くらいのメリットは確かに節電効果が出てくるんですけれども、これは結構取り合いになってくると思うので、僕自身は補助金降りればラッキー程度で。

実際には補助金を使わなくても回るモデルですので、積極的に設置を進めていくべきじゃないかなという風に思ってます。

 

 

大手での導入進む

 

イオンさんの方でも30カ所を超すところでPPAを付けていくということで非常に今、大手さんを中心に広がっていっています。

別の記事でアメリカのTARGETが500店舗ぐらい導入するよという風に言っていましたので、日本でも本当に大手さんというのも積極的にこのオンサイトPPAというのをやっていくんじゃないかなという風に考えてます。

これは本当に理にかなっていまして、例えばイオンさんであれば本業って別に節電とか太陽光を付けることではないですよね。

やっぱりスーパーとしての機能を持たせないといけない、そこに設備投資っていっぱい要りますので、その資金を太陽光発電所に付ける、付けないといけない義務はあるんですけれども自己資金でやる必要はなくて、やはりその資金は本業に使ってその費用を第三者に割り当ててもらう。

効果って、まず節電。

基本的に電力会社が買う電力よりも今は安く設定してる業者って非常に多いので、節電につながりますよということと企業体として、ちゃんと太陽光のCO2、カーボンフリーを目指してますよということが言えますので、あえて自己資金でやらなくてもできるスキームがあるんであれば、第三者のスキームでつけるべきじゃないかなという風に思います。

今年の動きは、大手さんから結構動いてくると思うんですけれども、今後は中小企業の方に波及すると思いますのでその辺は中小企業の方達というのはアンテナを立ててぜひやってみてくださいということです。

 

蓄電池に経済的メリットはあるか?

ここには蓄電池です。

KICアセットマネジメントさんの方が埼玉の方で蓄電池を付けたような形でのPPAを導入しましたよという風に書いてあるんですけども、蓄電池を使うとたくさんの太陽光を設置して、より比率を上げて電気を使えるようになるんですけれども、どうでしょう、家庭用であれば非常時、災害時とかのために蓄電池ってのを置いておいて電気が遮断されても使えますよというメリットってあるので、経済性だけじゃなくて付けるメリットってあると思うんですけども、企業さんの場合ってどうしても経済的メリットというのを求めないといけませんので、私自身は今の現状では蓄電池を使ったPPAっていう太陽光をたくさん設置して蓄電池に貯めて売りますよというのは、あまり今はまだ早いのかなと時期尚早なのかなという風に思ってます。

これはですね、まだ蓄電池ってちょっと高いんです。

太陽光の設備と同じくらいの規模感で設備投資が2倍になっていくんです。

そうすると、もちろん電気料金にも反映されちゃうし投資家も投資が2倍になりますからちょっとまだね、蓄電池ってこの先まだ安くなる傾向がないんです。

というのは今、蓄電池というものがEVの方で、今競争で取られていってしまっているんです。

なので今、需要の方はすごく大きいので供給が追いついてないからどうしてもちょっとまだ価格が高いんです。

今普及期に入っていますので、もっともっと広がって安定的な供給ができるようになるともっと価格がね、今の半分ぐらいには恐らくなっていきますので、その時に後付けでも蓄電池、実は付けられるんです。

太陽光を先に付けて、あとから蓄電池で付けることができますので、これから恐らくEVが広がることも含めて5年後先ぐらいには価格が半分とかで導入できると思いますので、その時に後付けを付けて、で太陽光を広げていくみたいな形が理想なんじゃないかなという風に思います。

 

 

PPAの一般家庭への導入

この記事にはPPAを一般家庭でも利用する例が出てきているということで、例えば神奈川とかは0円ソーラーということでね、一般住宅でPPAをすることを助成しているみたいです。

これ、すごく面白いと思っていまして、PPAの欠点というのは実は設置者側にはないんです。

投資者側が負担があるんです。

というのは例えば大きい規模でやると大体事業さん、個人の方の建物に付けたりしないですよね。

ということは、その事業が工場なり、建物の中にですね、電気を使うということは事業をやっていないといけませんので、10年間20年間事業をちゃんとやっていますか?ということが投資家さんの一番のリスクになるんです。

ここをクリアするためにはいろんなリスクヘッジをしていかないといけないので、今現状広がっているのはやっぱり横浜市の小学校とか東京ガスさんみたいな形で大手というか、安心感のある企業体に大きな企業体が投資をするというモデルなんですけれども、実は家庭用って、家を建てました、20年間電気を使いますかって言ったら大概、新築で建てて20年間は出ていかないですよね。

ということは、実は何気に大手さんの工場とかよりも安定度非常に高かったりするんです。

中途半端な中小企業の工場に付けるよりは本当に個人の家庭に付ける方が20年間電気を使ってくれますので、非常にここは面白い市場になってくるんじゃないかなと思います。

投資者として安心できる市場です。

あとはやはり会社だと、中小企業とかだとお金を払わないとか破綻するとかという状況があると思うんですけれども、やはり日本人の真面目なところで、電気料金とかガス代とかって基本的に払いますよね。

そういった意味では代金の回収リスクというのも何気にリスクヘッジできてるよというのが家庭用のメリットじゃないかなと思います。

 

 

投資家にとってのリスクも

ただ、欠点もありまして。

投資者側とすると、すごく小さな投資になるんです。

例えば、5キロとかであれば100万くらいの投資になりますので電気料金を1万円とか毎月取っていくわけです。

非常に額が小さいので、投資のリターンというか小さい色んな手間とか考えるとそこをどうまとめてやるかというのがポイントになるんじゃないかなと思います。

これ東京都で一般住宅のPPAの補助金も開始したみたいですけれども予算行っていないんです。

助成枠14億円で6億8000万しかまだ行ってないということで、これはもう積極的に活用すべきなんじゃないかなと思いますので東京都に住んでいらっしゃる方はその助成金を使って、PPAというのをやるべきなんじゃないかなという風に思います。

 

 

 

 

事業者をどう選ぶか?

最後の締めくくりとして、やっぱりPPA事業者から事業撤退とか経営破綻するリスクがありますよねということなんですけども、ここは確かにどんな事業者に付けてもらうかということは大事なポイントになると思います。

設置者側からすると、ただここで見るべきポイントってそこの会社の経営状況というよりはどちらかというとメンテナンス体制があるかどうかとか設置、導入にあたってどれくらいの経験値があるか、太陽光設置した経験があるかとか、どっちかって言うとメンテナンスとか、トラブル対応がどれぐらいできるかということの方が実は大事で、大手さんだから安心できますよというのもちょっと違うと思ってます。

小回りが利かないんです。

トラブルが起きても小回りが利かなかったりするので、ある程度の規模だったら当然そういった小回り利くと思うんですけれども、ちょっと小さい規模になるとどうしても費用対効果が合わなくなってくるのでそういったちゃんと小回りが利く、メンテナンス、太陽光って20年間もつんですけれどもこれはメンテナンスフリーじゃないんです。

必ず20年の中でトラブル、絶対にあります、断言できます。

トラブルのない発電所なんて無いので。

その時にはやっぱり対応力っていうのは非常に大事になってくるんじゃないかなという風に思います。

あと条件面です。

 

 

電力の奪い合いが発生する

これは結構な大手さんとかであれば、実は買っている電気よりも同額もしくはそれより高くなる場合もあるんです。

これなんでかと言いますと、結構再生可能エネルギーの電気ってこれから奪い合いが起こるので、証書買いって言って太陽光を設置していてそこの電気は別にカーボンフリーって言わなくていいですよねっていうところから証書を買うこともできるんです。

大体今だと1円ぐらい、プラスキロあたりでkw/hあたり1円上乗せして買うことも出来るんですけど、要は再生可能エネルギーの電気というものは普通の電気よりもプレミアムが付いているっていうことなんです。

なので単純にカーボンフリーで電気を使っていますよと言うためにお金を使うことは当然でしょということで、買ってる電気よりも高く設定する会社もこれからいっぱい出てくると思いますし、今は安くできる業種もあるかもしれませんけど高いのは当たり前だよねっていう市場になる可能性もあります。

なので諸条件がどうなのかというのはしっかり見極めることが大事なんじゃないかなと思います。

仮に潰れたとして、設置者側の会社が潰れたとして困るのはメンテナンスだけであって、その設備自体は機能していますのである意味フリーで電気を使えてしまうということが起こるので、あまり破綻とかどうこうということが気をつけないといけないよというよりはどういう条件なのかとかメンテナンス体制がどうなのか、そういったところが設置者側のどんな方に投資してもらうかというのが大事なポイントになるかなと思います。

今後の市場としては今、大手さんと安心できる大手さんが投資してやっている市場なんですけど、それをさっきも家庭用みたいにどう中小企業であったりとか家庭の方に広げていくかというのが事業者側としては市場規模というのがたくさんありますので、ここの入り方とかというのが非常に大事なポイントになるんじゃないかなという風に思います。